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リノベーションとコンバージョン建築の違いやメリットを解説

建築は新しく建物を建てる新築と中古の物件の内装を使いやすく改修して利用する方法があります。リノベーションはすでに馴染みのある方法ですが、最近ではコンバージョン建築といった方法にも注目が集まっています。

この記事では、リノベーションとは異なるコンバージョン建築についてをわかりやすく解説しています。

  • ・コンバージョン建築とは
  • ・コンバージョンとリノベーションの違い
  • ・リノベーションのメリット・デメリット
  • ・コンバージョンのメリット・デメリット
  • ・コンバージョン建築で気を付けるべきポイント

コンバージョン建築とは

コンバージョン建築のコンバージョンは「転換」「転化」といった意味があるのですが、建築においては「用途を変更する」といった意味です。用途の変更とは建物の使用目的そものものの変更をあらわします。

例をあげると、それまでオフィスとして活用していた建物を、居住用として作り替えてしまったり、逆に居住用であった建物をオフィスなどの商業利用するための建物に変更するのがコンバージョン建築です。

コンバージョン建築は建物の有効活用や、再生方法のひとつとして注目されている建築方法であるといえます。では次にコンバージョン建築とリノベーションの違いについてもご覧ください。

コンバージョンとリノベーションの違い

まずリノベーションは建物の修復・修理・改築を行う方法で、リノベーションを行う際には柱や梁などの、建物の構造上重要な部分には手を付けません。それ以外の壁や床を取り除いて使用目的に合わせて改築を行います。

似た方法でリフォームもありますが、リフォームよりも自由度が高い建築方法のひとつです。

一方コンバージョン建築は用途そのものを変更して、以前とは全く違った建物の使い方をするための改修が行える建築方法になります。似ていますが建物の利用についての自由度そのものの高さが違うのです。

もう少し簡単にいえば、リフォームは用途は変えられない改修方法で、コンバージョン建築は用途から変えられる方法になります。

リノベーションのメリット・デメリット

ここでは、リノベーションのメリットとデメリットをご紹介します。

メリット①自由度が高い

リノベーションのメリットのひとつが自由度が比較的高い点です。柱や梁などの建物の構造上重要な個所を覗いて、ほぼ全てを好みや用途に応じて作り替えられるので、使いやすいオフィスや居住用スペースを手に入れられます。

メリット②利用者の用途に合った改築ができる

オフィスビルを借りた際には理想的なオフィスとして改装が可能ですが、居住用のマンションや戸建てでも同様に、まるで別の建物のように改修・改装が可能なのも大きなメリットです。

最近では、中古マンションを入居者の自由にリノベーションしていい物件も増えているように、建物自体に付加価値を付けられるのもメリットのひとつといえます。

デメリット①時間がかかる

リフォームは床や壁を取り除き、水場の移動も全てできるので、時間がかかってしまうケースがあるのはデメリットです。かかる時間についてはどの程度のリノベーションかにもよりますが、中には新築に近いくらい時間がかかるケースもあります。

デメリット②構造によってできることとできないことがある

リノベーションは重要な柱や梁には手をつけません。そのため構造上変更ができない場所がどうしてもあります。そのため自由度が高いといっても変更がかなわないケースがあるのです。

ひらたくいえば、前の部屋の雰囲気が残ってしまう部分がある、面影が残る部分があるのも頭に入れておく必要があります。

デメリット③解体した後で想定外の費用が発生するケースがある

リノベーションのデメリットで一番厄介だと感じるのが、床や壁を取り払ったあとで予定になかった故障個所が見つかるケースです。その部分の修理や修復が後になってわかるので、予定外の出費の可能性があります。

コンバージョン建築のメリット・デメリット

ここではコンバージョン建築についてのメリットとデメリットをご紹介します。

メリット①低コスト

リノベーションと同様に、すでにある建造物を改装・改築するので、新築で建物を建てるよりも低コストなのはメリットです。もちろん改装や修理箇所によっては費用がかかるケースもありますが、新築より断然安く建物の利用ができます。

メリット②空き家対策ができる

街中で人が住んでいない建物があると、その空き家を悪用されてしまったり、ぼや騒ぎが起こったりといったケースがあります。しかし居住用住宅を商業施設として活用できるので、空き家対策につながり犯罪の抑止につながります。

メリット③建物の用途の自由度が高い

居住用住宅をオフィスやお店として活用できます。そもそもコンバージョン建築は用途から変更できるので、例えば大きな倉庫を居住用として転用するのも可能です。自由度が高いので建物の有効活用にもつながります。

メリット④新築より費用が安い

リノベーションと同様にすでにある建物を別の目的で再利用するため、新築のようにキレイな建物にできるのに、新築よりも費用がかからないのも大きなメリットです。

メリット⑤新築より工事期間が短い

新築のように土台を作ってから建物を建てる必要はありません。すでにある土台を使うので新築よりも工事期間が必要ないのです。

デメリット①元の建物の構造が影響する

リノベーションと同様にコンバージョン建築も、重要な部分を撤去したり移動したりするのはできません。そういう意味では変更できない箇所があるので、元の建物の特徴が残ってしまいます。

デメリット②耐震性・耐久性が新築より劣るケースがある

内装についてはリノベーション同様に新築かのように改装できるのですが、元の建物の耐震性や耐久性以上の効果は期待できません。もしも元の建物の耐震性や耐久性が足らない場合には、追加で免振などを行わないとならない可能性はあります。

コンバージョン建築で気を付けるポイント

建物の有効活用を目的として人気のコンバージョン建築ですが、利用する際に気を付けなければならないポイントがあるのでご紹介します。

自治体への確認申請の有無をチェックする

土地や建物の有効活用ができるコンバージョン建築ですが、居住用スペースを商業スペースとして使用したり、オフィスだったビルを居住スペースとして活用する場合、規模や業態で確認申請が必要になります。

これは用途変更を行うため、希望する用途にその建物が適しているかどうかを改めて確認する必要があるからです。確認申請は各自治体に依頼します。以下の用途で使用する場合は申請が必要です。

病院・診療所・ホテル・旅館・共同住宅・寄宿舎・下宿・学校・体育館・博物館・図書館・ボーリング場・スケート場・百貨店・スーパー・展示場・ダンスホール・キャバレー・飲食店・遊技場・銭湯・倉庫・車庫・自動車修理工場・スタジオ・劇場(映画館)・集会場・公会堂

地域での需要と供給のバランスを考える

コンバージョン建築は収益を増やせる可能性が高い建築方法です。しかしどこの地域で行うかが重要なポイントです。

最も重要なのは、その地域でどんなものが必要とされているかを調査する点です。需要がないのに供給をもっていっても意味がないので、その地域にどんなサービスが必要とされているかを調べてから、求められる供給をしてください。

このバランスこそがコンバージョンの成功につながります。


この記事では、リノベーションと違うコンバージョン建築についてご紹介しました。

  • ・コンバージョン建築とは
  • ・コンバージョンとリノベーションの違い
  • ・リノベーションのメリット・デメリット
  • ・コンバージョンのメリット・デメリット
  • ・コンバージョン建築で気を付けるべきポイント

おすすめはコンバージョンとリノベーションの良いところを組み合わせた建築です。
どう組み合わせるか迷ったときは、専門家に相談してより良い建築を目指すのをおすすめします。