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ホーム共有スペースを充実させる家具のレイアウト術

共有スペースを充実させる家具のレイアウト術

オフィスの共有スペースは、ただの休憩場所ではありません。社員同士の交流を生み、アイデアが生まれ、心と体がリフレッシュされる「創造の場」でもあります。その価値を最大限に引き出すには、家具の選定だけでなく、配置=レイアウトが大きな鍵を握ります。どんなにおしゃれな家具が揃っていても、使いにくい動線や落ち着かない空間では本来の力を発揮できません。本記事では、共有スペースの魅力と機能を最大化する家具レイアウトの基本と実践術をご紹介します。

  • ・利用目的に応じてゾーンを分ける
  • ・動線設計は「自然な流れ」を意識
  • ・家具の機能性と柔軟性を重視する
  • ・心地よい空間づくりは「余白」が決め手

利用目的に応じてゾーンを分ける

多目的空間には「エリア分け」が必要

共有スペースと一口に言っても、休憩、軽作業、打ち合わせ、イベント開催など、利用目的はさまざまです。それぞれに適したゾーニングを行うことで、空間の使いやすさが格段に向上します。たとえば、打ち合わせゾーンは壁際や奥まった場所に、雑談・リラックスゾーンは窓際や中央に配置することで、自然な使い分けが可能になります。

パーテーションや家具で緩やかに仕切る

壁で区切らずとも、背の高い収納棚やソファ、観葉植物などを使って空間を緩やかに仕切ることで、視覚的にも気持ちの切り替えがしやすくなります。オープンな空間でも、目的に合った雰囲気を演出できます。

動線設計は「自然な流れ」を意識

人の流れを妨げない配置を

共有スペースの快適性は、動線の設計で大きく変わります。テーブルやソファが通路をふさいでしまうと、使いにくくなりストレスの原因に。通路幅は最低でも90cm以上、通行が多い場所では120cmを確保するのが理想です。

通る場所と「滞在する場所」の分離

コピー機や給湯室と共有スペースが近い場合、通過動線と滞在ゾーンが重ならないように配置することも重要です。静かにくつろげる空間と、気軽に立ち寄れる動きのある場所を分ける工夫が求められます。

家具の機能性と柔軟性を重視する

レイアウト変更に強い家具を選ぶ

日によって利用人数や用途が変わる共有スペースでは、移動や組み替えがしやすい家具が役立ちます。キャスター付きテーブルや軽量チェア、モジュール式ソファなどを使えば、イベント時やレイアウト変更にも柔軟に対応可能です。

収納と兼ねた工夫で空間を有効活用

ベンチ型収納やスツール型ボックスなど、収納を兼ねた家具は限られたスペースでも効率的に使えます。雑誌・資料・備品類が整理整頓されていれば、共有スペースの印象もすっきりと快適になります。

心地よい空間づくりは「余白」が決め手

詰め込みすぎないレイアウトを

せっかくの共有スペースも、家具が多すぎると圧迫感が出てしまいます。特にリラックスを目的としたエリアでは「余白」を大切にし、視線が抜ける配置や空間に余裕のあるレイアウトを心がけましょう。

光と視線の通りを意識

自然光を取り入れたり、視線が抜ける方向にソファを置くことで、空間全体の広がりを感じられます。圧迫感がなく、自然と人が集まりやすい共有スペースになります。


共有スペースの価値を高めるには、家具の配置ひとつにも「意図」と「工夫」が求められます。利用目的に合わせたゾーニング、スムーズな動線、柔軟に使える家具、そして心地よさを感じさせる余白。これらをバランスよく取り入れることで、単なる「空きスペース」が、社員の交流・発想・癒やしを生み出す「活きた空間」に変わります。レイアウトの見直しこそ、オフィス改革の最初の一歩と言えるでしょう。