在宅勤務が当たり前となった今、自宅での仕事環境が働く人の健康や生産性に大きく影響するようになりました。特に注意したいのが「姿勢」。ダイニングチェアやローテーブルでの作業では、知らず知らずのうちに前かがみや猫背になり、肩こりや腰痛、集中力の低下を引き起こします。快適なリモートワークを実現するには、姿勢をサポートする家具やアイテムの導入が不可欠です。今回は、疲れにくく正しい姿勢を保てるための家具と選び方のポイントをご紹介します。

デスクとチェアの「高さバランス」が基本

体格に合ったデスクの高さを選ぶ

正しい姿勢を保つには、デスクとチェアの高さが自分の体格に合っていることが大前提です。理想的な高さは、椅子に座った状態で肘が自然に曲がり、デスクと並行になるポジション。デスクの高さは一般的に70cm前後ですが、身長や椅子の座面高に応じて調整できる昇降式デスクや足元にフットレストを加えるなどの工夫も有効です。

チェアは背骨のS字を支えるものを

背もたれのカーブが腰の自然な形を支える「ランバーサポート」付きのチェアは、腰痛予防に効果的です。座面の奥行きやクッション性も疲労に影響するため、可能であれば実際に試座して選ぶことをおすすめします。アームレストがあると肘の荷重を分散でき、肩の緊張を和らげます。

姿勢改善に役立つプラスアイテム

モニター台で目線を自然にアップ

ノートPCだけで作業をすると、どうしても目線が下がりがちです。モニター台やPCスタンドで画面の高さを目の位置に近づけると、自然と姿勢が正され、首や肩への負担が軽減されます。外付けキーボードと併用することで、デスク上のレイアウトも整います。

フットレストで足元の角度を調整

足が床につかない、または膝の角度が90度にならないと、下半身の血流が悪くなり疲れやすくなります。フットレストを使用することで、足の位置を安定させ、長時間の着席によるむくみや腰への負担を防ぐことができます。

長時間の作業に対応するアイデア家具

スタンディング対応の昇降式デスク

座り続ける時間が長いと、どれだけ良い姿勢でも身体への負担は避けられません。昇降式デスクなら、作業中に立ち姿勢へと切り替えることができ、腰や肩への負荷を軽減。立ち姿勢の方が集中力が高まるという研究もあり、最近では在宅ワーク用にもコンパクトなモデルが登場しています。

クッションやシートで微調整を

市販のチェアが身体にフィットしない場合でも、クッションや低反発シートを活用すれば調整が可能です。腰の隙間を埋めるクッション、座面を高くするシートなどを活用すれば、無理なく快適な姿勢をキープできます。

快適な姿勢を維持するための工夫

こまめな体勢変更とストレッチ習慣

どんなに良い椅子やデスクを使っていても、同じ姿勢を長く続けると身体は硬直し、疲れが溜まります。1時間に1度は立ち上がってストレッチをしたり、軽く歩いたりすることで、血流が促進され集中力も回復します。

作業環境の明るさ・温度も影響する

姿勢だけでなく、環境全体にも気を配りましょう。明るさが足りないと前かがみになりがちですし、寒い部屋では身体が縮こまり、姿勢が崩れます。照明や空調も含めた“全体最適”が快適な作業を支えます。